教学入門「立正安国と広宣流布」


5.立正安国と広宣流布
 仏法を実践する目的は個人の一生成仏を実現するとともに、自他共の幸福を確立していくことにあります。日蓮大聖人は現実の社会に自他共の幸福を確立していく実践の指標として「立正安国」と「広宣流布」を説かれました。

立正安国
 日蓮大聖人の仏法は、各人の生命境涯を変革し、今世のうちに絶対的幸福境涯を開くことを可能にする教えです。それとともに、各人の生命境涯の変革を通して社会全体の平和を達成することを目指しています。大聖人は、平和実現のための原理を立正安国論のなかで示されました。
 「立正安国」とは「正を立て国を安んず」と読みます。(略)
 大聖人が当時の人々の苦悩を解決するため、立正安国論を著し、権力者を諌められたこと自体、仏法を行ずる者は、ただ自身の成仏を祈って信仰していればよいのではなく、仏法の理念・精神を根本にして、積極的に社会の課題に関わっていくべきことを身をもって示されたものと拝察できます。立正安国論では「汝須く一身の安堵を思わば先ず 四表の静謐を祷らん者か」(31ページ、通解──あなたは、一身の安泰を願うならば、まず周囲の平穏〈戦争の回避と世界の平和〉を祈るべきである)と仰せです。
(略)

広宣流布
 仏の悟りである正法を人々に流布し、万人を仏の境涯に導くことこそが仏法の目標です。それ故に法華経でも「我が減度の後、後の五百歳の中、閣浮提に広宣流布して、断絶して悪魔・魔民・諸天・竜・夜叉・鳩槃荼等に其の便を得しむること無かれ」(法華経601ページ、通解──私〈釈尊〉が入滅した後、末法において、全世界に正法を広宣流布して断絶させず、決して悪魔・魔民・諸天・竜・夜叉・鳩槃荼などの魔物につけ入らせてはならない)と説かれています。
 この経文は、「後の五百歳」すなわち末法に妙法を全世界(一閻浮提)に広宣流布していくべきことを述べたものです。
 また、法華経では、末法の広宣流布が「地涌の菩薩」に託されます。
(略)
 広宣流布について大聖人は次のように仰せられています。
 「大願とは法華弘通なり」(736ページ)
 「日蓮が慈悲曠大ならば南無妙法蓮華経は万年の外・未来までもながるべし、日本国の一切衆生の盲目をひらける功徳あり、無間地獄の道をふさぎぬ」(329ページ)
 まさに広宣流布こそ日蓮大聖人の根本精神です。

創価学会こそ広布の唯一の団体
 この大聖人の御精神を受け継いで、世界に妙法を弘通し、広宣流布を進めてきた和合僧(仏法実践者の集い)が創価学会です。
 「日蓮と同意ならば地涌の菩薩たらんか」(1360ページ)と仰せのように、大聖人のお心のままに妙法を弘めてきた創価学会こそ、広宣流布の使命を担う地涌の菩薩の団体にほかないりません。そして、日蓮大聖人の御精神を正しく継承する和合僧として、世界中に妙法を弘めてきたのです。
 自分一人の幸福だけを追い求めては小乗教になってしまいます。
 日蓮仏法は「自分」と「他人」と「国土」の幸せを築く仏法なのです。

 立正安国論は日蓮仏法の基本です。
 日蓮大聖人の最後の講義も立正安国論でした。
 国の平和と人々の幸福の為の広宣流布です。
 今の末法の時代に、法華経を広める我々は「地涌の菩薩」であることは間違いありません。