川崎市営地下鉄「川崎縦貫高速鉄道」建設問題で、市は二十八日、二期区間の「武蔵小杉駅-川崎駅」について三ルート案を公表した。一期区間「新百合ケ丘駅-武蔵小杉駅」については、当初計画の二〇〇七年度中の国の事業許可が「かなり難しい状況」(市交通局)との見通しを明らかにした。市が予定している二〇一七年度開業への影響は必至とみられる。

二期区間案について市は「鉄道不便地域の解消や再開発地域の活性化を考慮した」と説明。Aルートは、鉄道不便地域の加瀬・小倉地区(幸区)を経由する約八キロ。Bルートは、再開発が進む新川崎地区への接続を重視した約七キロ。Cルートは、加瀬・小倉地区、鹿島田駅周辺を経由し古市場・小向地区(幸区)を通過する九キロ。市は四駅の設置を予定。区間を十-十二分で結ぶとしている。

 市はこれまで、同区間は「JR横須賀線の西側を南下し、新川崎駅や鹿島田駅周辺を経由し、JR南武線の東側を川崎駅に向かって進む」との概略だけを示していた。市は一期区間の事業許可申請時に、二期区間を一つに絞り込む。市は「二期区間の事業許可申請の際、ルートを変更する可能性もある」とする。

 一方、一期区間について市は昨年三月、採算性から、事業許可を受けた元住吉路線をやめ、武蔵小杉路線で計画を進めることを決定。同年九月、国に事業廃止届を提出。市は武蔵小杉路線について本年度中に事業許可を申請し、〇七年度の事業許可を目指していた。

 二〇二五年開業予定の二期区間は、一期区間開業後に着工する予定。

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