26日に起きたスマトラ沖地震によるインド洋大津波は死者数は、ロイター通信の集計によると28日までに約6万3000人となり、1883年にスマトラ島近くのクラカトア火山の噴火による津波で3万6000人が死亡した惨事を上回った。最終的な被害者数は10万人に達する見込み。
 観測史上で最悪の津波被害の模様。被害者の方々にお悔やみ申し上げます。
 これまでの国内の最悪の津波被害は1896(明治29)年の明治三陸地震(約2万2000人死亡)。


 日本人には「地震=津波」というイメージは普通ですが、外国では『津波』というもの自体を知らない人も多いようです。
 津波研究では日本が強く「津波」は世界語になり『Tsunami』で通用します。世界的な津波警報システムを構築する話も出ている様ですね。

 津波と言うと映画などでビルより高い津波が描写されるが実際の記録は1958年7月9日アラスカのリツヤ湾の津波。
 マグニチュード7.9の地震のために、フィヨルドの岩壁が崩れ、その土砂8000万トンが一気に湾に落ち込んだ。
 このために巨大な水跳ねが起き(水膜状だったという)、対岸の525mの高さまで駈け上り、その高さまでの木々を根こそぎ洗い流した。
 この525mという高さが、確認できる津波の高さとしては最高記録。

関連:1958 Lituya Bay Tsunami


 東京タワー(333m)よりも高い津波…。

 日本だと1875年に石垣島で85mという記録があるそうです。

 また津波は海岸線の海水が一端引いてからくるとよく言われますが、必ずしもそうではないそうなので、海岸にいる時に地震にあったら、とにかく高台に避難するのがよいそうです。

 東京大学社会情報研究所廣井研究室の廣井脩氏らによる「巨大津波と避難行動ー奥尻島青苗地区で何が起こったかー北海道南西沖地震調査報告」(PDF)は、津波時の避難行動について、奥尻島青苗地区にて生存者に聞き取り調査をしています。

 これによれば、1980年の日本海中部地震の時は地震から約20分程度で津波がきたので余裕ある避難ができたものの、北海道南西沖地震の時は約5分程度できたため、避難しようと思ったものの準備に時間がかかった人や家族を助けようとした人は犠牲になってしまったそうです。

 津波の多い三陸地方では「津波テンデンコ」という言い伝えがあって、津波の時は家族全員一緒で逃げようとするな、バラバラで避難せよ、結果的にそのほうが犠牲者が少なくなる教訓のようです。
※「テンデ」or「テンデン」ってのは「それぞれ」「各自」って意味の方言。「てんでんばらばら」の「テンデ」なんですね。

10:30:00