間違った用語で会話すると、齟齬が生じますね。
 正しい日本語で会話しましょう。


意味を間違えやすい言葉

有られもない【あ-られもない】
 「あられもない姿」なんて言葉からエッチでなまめかしい意味と思っている人がいるが、本当は「あってはならない」と言う意味。

寝穢い【い-ぎたな-い】
 ・いつまでも眠りこけている様子や寝相が悪いさまを形容する言葉。
 「意地汚い」とは全く別物。

一姫二太郎【ひちひめ-にたろう】
 ・第一子が女の子、第二子に男の子が生まれる事。
 女の子一人、男の子が二人授かる事ではない。

色を作す【いろ-を-なす】
 ・怒りのため顔色を変えるさま。
 うろたえたり、びっくりしたりする様は「色を失う」。

告発【こくはつ】
 ・悪事や不正を明らかにして、世間に知らせる事。
 ・犯罪とは直接関係のない者が、捜査機関に犯罪事実を申告し、犯人の訴追を求める事。被害者が訴え出る場合は告訴という。

しどけない
 ・身なりが乱れていてだらしがない。無造作でしまりがない。
 ・うちとけた感じで、つくろわない。乱雑であるが、親しみを覚えて好ましい。
 ・幼くて頼りない。分別が足りない。

弱冠【じゃっかん】
 二十歳の事。「礼記」曲礼上の「二十を弱と曰ひて冠す」から。
 弱冠十五歳とか弱冠二十五歳と表現するのは間違い。

斜に構える【しゃ-に-かまえる】
 ・剣道で剣先を斜めに構える事。
 ・身構える。改まった態度をする。
 今ではもっぱら「皮肉な態度をとる」意味に使われている。

酒池肉林【しゅちにくりん】
 ・酒や食べ物がふんだんにある、贅(ぜい)を極めた酒宴の事。「史記」殷本紀の「酒を以て池となし、肉を懸けて林となす」から。
 「肉林」を、並び立つハダカの女性のことだと誤解している人がいるが、この「肉」はあくまでご馳走としての肉の事。

折檻【せっかん】
 ・厳しくしかったり、こらしめの体刑を加えたりする事。
 ・強く諌(いさ)める事。厳しく諫言(かんげん)する事。
 漢の孝成帝が、朱雲の強いいさめを怒り、朝廷から引きずり出そうとしたとき、朱雲が欄檻(らんかん)につかまったため、それが折れたという「漢書」朱雲伝の故事による。

流れに棹さす【ながれ-に-さおさす】
 ・棹を操って舟を進める事から、時流に乗る意に使う。
 流れに逆らうの意ではない。

生さぬ仲【な-さぬ-なか】
 ・血のつながりのない親子の間柄。柳川春葉の同名の新聞小説が、大正2年に劇化されてから広まった語。
 漢字で書くと判りやすい「生さぬ」つまり「生んでいない仲」血のつながりのない親子の間柄。「親密な男女関係」で使う例が見られるが間違い。

餞【はなむけ】
 ・昔、旅に出る人の道中の無事を祈って、乗る馬の鼻をその行く先へ向けてやったところから、旅立つ人の安全を祈り、前途を祝して、酒食をもてなしたり、品物を贈ったりする事。
 ・また、その品物。餞別(せんべつ)。はなむけ。
 「花を向ける」のではない。土佐日記では「馬の鼻向け」と言った。

耳障り【みみ-ざわ-り】
 ・聞いて不快に感じることの意。
 「耳障りがいい」とか「よい耳障り」とは言わない。「肌触り」と混同した使い方が目立つ。

役不足
 ・俳優などが割り当てられた役に不満を抱く事。
 ・力量に比べて、役目が不相応に軽い事。また、そのさま。
 「力不足」と混同されやすい。

 まぁ、間違った用法が定着してて、本来の使い方の方が意思疎通出来ない場合(折檻とか)もありますが…(笑)