昨日は富士宮ボーイの件もあって、久しぶりに似非科学をネットで見て回った。
呆れるばかりのHP・ブログが多い事に辟易した。

似非科学を信奉する人は、まず「科学を信じない人」です。
別のデータを提示しても大体は信じない。
云く「そのデータは間違っている、専門家は認めている」と。


例として「水からの伝言」から。

業者来たりて曰く「水に『ありがとう』などの『よい言葉』を見せると、きれいな結晶ができて、『ばかやろう』などの『わるい言葉』を見せると、きたない結晶ができる」云々。
主人の曰く「水は湿度温度が同じなら、同じ様に結晶化する」

もし良い言葉良い音楽で結晶が変るのならば、冬の北海道で騒音の発生する市街とない市街で雪の結晶が変らなければならない。
しかしそんな事は無く、音を聞かせようが聞かせまいが同じ雪が降る。

業者の曰く「よい言葉を発すれば、そのバイブレーション(波動)は物をよい性質に変えて行きます。しかし悪い言葉を投げかければ、どんなものでも破壊の方向へと導いてしまうのです」
主人の曰く「水分子に影響を与えるバイブレーションは存在しない、もし性質が変われば既に水分子とは言えなくなる」

水分子はご存じの通り「H2O」です。2個の水素と1個の酸素から出来ている分子です。
この形で結合出来る分子は水しかありません。変るとなると、日常の色々な科学測定器の検査結果は信用できなくなる。
(大抵の測定器は媒体として水を使う)

業者の曰く「実験結果としてきれいな結晶ができる。この結晶をきれいだとは思わないのか」
主人の曰く「きれい、汚いは主観です。それこそ自然界では普通にきれい結晶ができ、雪として降っている」

わざわざ、手間ひまお金をかけて水を購入する必要はない。

業者の曰く「人間の身体は多くの水分を含むのだから、水は人間の身体にも影響する。だから美しい言葉を使いましょう」
主人の曰く「言葉を喋らない動物や植物は、その恩恵は受けられないのか?なぜ人間だけ受けられるのか?」

良い言葉と水の因果関係がちっとも科学的でなく、言わばオカルト信仰の様な物になっている。

業者の曰く「未だ科学では解明できていないが、波動を含んだ水は存在する。また波動測定器もある。」
主人の曰く「科学で解明できていない物を、科学的に似せたデータを呈示して販売するのか?」

科学的と言いつつ、科学ロジックで問い詰めると答えは科学的でなくなる。
販売の為のデータの測定も証明も、第三者機関でのデータは出てこない。
また専門家が出てきたりするが自称ですよね。利害のない第三者の専門家は?

波動測定器の原理は?電気で計るの?電気で計るのならば『何』を計るの?その単位は?ボルト?オーム?アンペア?

販売業者が自分に不利になるデータを認める訳がない。
苦し紛れに「波動が水に染み込まないと断言する事はできない」とか言い出すのが落ちだ。
存在を証明するのは業者だよ。ここでも悪魔の証明だ。

世界では泥水を飲んでいる地域もある。その地域できれいな言葉を使えば病気は無くなるのか?
泥水に特別な波動を染み込ませれば、良いではないか。それで健康になるのだろ?

結論、波動が染み込んだ特別な水なんてのは無い。

それを見ていた客の曰く?は貴方です。