見直しは対象外
介護予防マネジメント検証へ
厚労省

厚生労働省は三月三十一日、「介護予防サービス評価研究委員会」を開催し、二○○五年度のモデル事業の概要を明らかにした。現在、国会で審議中の法案に沿って、新しい予防給付の認定、予防マネジメントを実践・検証する内容だ。運動器の向上や栄養改善など新たに追加が予定されているメニューについてはマニュアルを作成して提示する。ただ、訪問介護など既存サービスをどう予防給付に位置付けるかは介護報酬を審議する社会保障審議会介護給付費分科会で来年二月頃に結論を得る予定であり、今年度中に予防マネジメント全体を検証することは難しい情勢だ。


 見直し後の新しい予防給付の対象となるのが、現行の要支援の高齢者全員と要介護1からスクリーニングで選定された人だ。新しい要支援は二区分になり、現行の要支援が「要支援1」、要介護1の人が「要支援2」となる。
 スクリーニングは要介護認定時に行われるため、調査から認定までの流れに見直しが求められる。基準については、予防給付の利用が適切と見込まれない対象者を除外する方式で行う。
 除外する条件は、①疾病や外傷等により、心身の状態が安定していない状態、②認知機能・思考感情の障害で十分な説明を行っても新予防給付の利用に係わる適切な理解が困難な人。前者では脳卒中や心疾患、慢性病の急性増悪期などで病状が不安定な状態、後者は痴呆性老人の日常生活自立度Ⅱ以上、精神疾患などが対象になる。五~六月に実施予定のモデル事業で追加すべき状態像があるか検証予定だ。二次審査会で実施するスクリーニングの判断材料とするために、調査員が行う調査、主治医の意見書にも項目を追加する。調査項目に追加されるのは、日中の生活、外出頻度、転居をして引きこもっていないかなど家族や居住環境、社会参加の状況の変化を調べる項目だ。かかりつけ医の意見書では、移動、栄養、介護度の改善可能性があるかどうか、改善が期待できるサービスがあるかなど生活機能に関する項目が追加される。これらは新・予防給付が対象とする廃用症候群があるかどうかを見極める項目だが、「対象外の方を排除する方法がスクリーニングの基本であり、ほとんど予防対象になると考えられる」(三浦老健課長)。二次審査会での判定には大きな影響を与えないと説明された。振り分けた結果が、予防に適切な対象者かどうかの検証は行わない。 新たな予防給付に追加される筋力トレーニング・栄養改善、口腔機能の向上や、地域支援事業で実施する介護予防健診、閉じこもり予防、認知症予防などについては個別のマニュアルを作成する。これをうけて、介護予防マネジメントについても秋にモデル事業を実施する。

シルバー新報4月8日号より抜粋

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