日本家屋は夏がメイン
 日本は、高温多湿の気候で、「湿気」の国と言われています。
 従って、日本の住宅は「夏の湿度の高い時期をいかに過ごすか」と「夏型」、「すき間風住宅」で発達しました。
 ところが、コンクリート住宅が増え、サッシがアルミになり気密性もよくなると「冬型」、「密閉住宅」になりました。
 そのため結露・カビの問題が出てきました。
 カビの原因は結露、結露の原因は湿度です。
 いかに湿度を抑えるかがカビ対策になります。

 水蒸気は10万分の4ミリという大きさです。
 水が蒸発して、出てくるのが水蒸気です。
 水蒸気は気体なので目に見えません。
 ヤカンのから出てくる煙は湯気(液体)です。

 身近な物として氷を入れたコップの周りに水滴が付きます。
 これが結露です。

では、なぜ結露は発生するのか。
 空気中に含むことができる水蒸気の量は、温度が高くなればなるほど、多くなります。
 つまり、水蒸気のバケツが大きくなるということです。例えば20℃・60%の水蒸気の量は8.8グラムです。温度が12℃になりますと、水蒸気は100%になります。さらに温度が下がるとバケツからあふれて水滴となります。これが結露です。
 熱の場合、暖房した部屋が襖などでさえぎられていれば隣の部屋は暖まりません。
 ところが、 水蒸気は粒子が小さく、圧力をもった気体ですのですき間を通り抜けて水蒸気の少ない方へドンドン流れていきます。
 そこで冷たい空気に触れると結露するわけです。

 それでは、室内で水蒸気はどこから発生するのでしょうか。
 人間も発生源です。1日4人が室内にいると仮定すると7リットルにもなります。
 また、石油ストーブが燃焼により1時間に300グラムも水蒸気が発生します。
 ですから、冬は乾燥するからとヤカンを乗せる必要はありません。
 家の中で一番カビの発生しやすい場所は浴室です。
 なんといっても温度、湿度も高く、カビの栄養となる石けんカスもあります。

カビ対策
 カビ対策としては、「栄養」「温度」「湿度」を取り除けば良い訳です。
 
 お風呂の最後に、湯で浴室の壁を洗い流します。(栄養を除去し)
 その後、冷水をかけ、浴室内の温度を下げます。(温度を下げ)
 最後に窓を開けたり、換気扇を回して乾かします。(湿度を下げる)
 これでカビの発生を大分抑えることができます。

 まとめとして、余計な湿気を外に出すことです。そのためには換気が効果的です。
 ①水蒸気がこもったらすぐに換気、
 ②上がった温度が下がる前に換気をしましょう。
 
 しかしの家の中より外の方が湿度が高い時(これからの梅雨時)は換気を注意しましょう。
 換気をする事によって逆に外から湿気を呼び込んでしまう事にもなります。
 お風呂・シャワーの後は短時間で換気をして余分な湿度だけを外に出しましょう。

 また、湿度計を使ってチェックしてください。
 夏は冷房の設定温度を高め(26~ 28℃)にすると、冷房中の乾燥や冷やし過ぎによる結露(冷気により逆に結露する)を防ぐことができます。ドライモードも使いましょう。

 冬は暖房の設定温度を低め(18~ 20℃)にすると、暖房中の乾き過ぎや朝方の結露を防ぐことができます。


 今までの話を参考に結露(カビ)が発生しにくい暮らし方を実行してみましょう。


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