善管注意義務(善良なる管理者の注意義務)
 借主の故意・過失や通常の使用方法に反する使用など、借主の責任についての考え方として、例えば民法第400 条があります。
 民法第400条では、他人のものを借りている場合、借主は、契約してから契約終了時に物件を貸主に明け渡すまでの間は、相当の注意を払って物件を使用、管理しなければならないという意味のことが規定されています。
 これを「善良なる管理者としての注意義務」といい、一般には略して「善管注意義務」といいます。


 この義務に反して、物件を壊したり汚したりした場合には、借主は原状に回復するよう求められることになります。
 また、本来は通常損耗等にあたるものであっても、借主がその損耗を放置したり、手入れを怠ったことが原因で、損耗が発生・拡大した場合には、この善管注意義務に違反したと考えられ、その復旧費用は借主の負担とされることがあります。
 
 例えば、レンタカーを数か月間借りたとします。
数か月も乗っていれば、タイヤもすり減ったりするでしょう。だからといって、車を返す
時にレンタカー料金以外にその復旧費用を別途請求されることはありません。
一方、不注意で車をぶつけてしまった場合などは、レンタカー料金以外に復旧費用を請求されることになります。
賃貸住宅における「原状回復」も同じように考えていただければよいと思います。

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