衆院厚労委 費用対効果など検証も
「2割弱が悪化」指摘
モデル事業中間報告
要員確保などで課題

 厚生労働省は十九日に二○○四年度に市町村が実施した「介護予防事業モデル事業」の中間報告を衆議院厚生労働委員会に報告した。審議で焦点となっていた筋力トレーニングの有効性については、参加者九八人のうち四三・九%で要介護度が改善したものの逆に悪化した人も一六・三%もいた。厚生労働省では「有為な効果があった」と評価しているが、野党は「効果がない人もいるという点が重要」と反発している。効果があると評価している自治体の中にも、リスク管理やスタッフの確保など多くの課題をあげている。効果がどこまで維持できるか、費用対効果はあるのかといったモデル事業では分からない点も含めてさらに検証が必要なのは間違いなさそうだ。


 介護保険の見直しについて審議していた衆議院の厚生労働委員会の審議では、新・予防給付の効果について質疑が集中しており○四年度モデル事業の結果を提出するよう求めてきた。厚生労働省では十五日までに報告があった四八自治体のデータを提出したが、さらに同省としての「評価」を行うように求められていた。
 分析したのは参加六九自治体のうち、十一日までに報告のあった四八自治体。うち、筋力向上を実施したのが四四自治体。マシンを使用した筋力トレーニングが三七自治体で多数派だ。
 筋力トレーニングを行った前後での要介護の変化は改善が九八人中四三・九%で悪化が一六・三%。
 「麻痺拘縮」「移動」「複雑動作」など認定にかかわる七つの身体機能の全てで統計学的に有為に効果があったと厚生労働省は評価した。年令別にみると、改善者の割合は七五歳未満の高齢者が四〇・五%に対し、七五歳以上が四六・四%で年齢層の高いほうが改善率が高い。また、脳血管疾患の既往歴がある人では要介護度の改善率は二七・六%と平均を大きく下回る。


シルバー新報4月22日号より抜粋

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