専門的医療は包括外に
全老健 介護報酬改定で要望

全国老人保健施設協会(全老健・漆原彰会長)はこのほど、来年度に予定されている介護報酬の改定についての要望事項をまとめた。在宅復帰の目的が明確な一定期間の入所利用やリハビリに対する重点的な評価をはじめ、施設内で対応できない専門医療にかかる医療費を包括外とすることなど四項目が柱だ。特に医療に関しては、専門医療の必要な利用者が増えていることもあって常勤医師だけでは対応し切れず、「他科受診」による施設側の持ち出しが多くなっているため、現行の包括払いの見直しが必要だと強く求めている。

 老人保健施設に対する介護報酬は特別養護老人ホームなどと同様に経営実態調査結果の経常利益をもとに設定されている。この中には療養上で必要な医療費も包括化されており、それ以外に算定できるのは救急救命が必要になった場合の応急処置など「緊急時治養管理費」と、皮膚科、眼科などの専門外来の「特定治療費」のみ。施設内で対応するのが原則だ。
 これに対して全老健では、「通常の診療技術や見識では診断や処置の難しい専門診療が必要な利用者が年々増えており、薬剤費も含め他科受診による施設経営の負担は大きくなっている」としており、専門処置や一定水準以上の高額な薬剤などは包括外とすること、感染予防の観点からも入所時や年一回程度の検査費用については包括外と位置付けることを求めた。

シルバー新報8月12日号より抜粋

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