2009/11/22  初級・3級教学試験 研鑽問題(2009年)解答例

 各2点×50間100点

問一
 一、イ、慈悲 未来 天台
   ロ、師
 二、イ、法華経兵法事(もしくは剣形書)
   ロ、法華経の兵法 信心 臆病
   ハ、薬王
 三、イ、3
   ロ、師子王 仏 日蓮
   ハ、3
   ニ、(例) 正法を弘通しようとする時、政治的権力が宗教的権威と結託して、法華経の行者を迫害する。
 四、イ、魔 三障四魔 悪道 正法
   ロ、魔が競い起こらないならば、正法であると知ることができない。

問ニ
   イ、5
   ロ、1
   ハ、4
   ニ、3
   ホ、2

問三
 一、イ、師子吼
   ロ、弟子
   ハ、師弟
 二、イ、5 2
   ロ、4 1
   ハ、3 6
 三、3

問四
 一、イ、日興上人
   ロ、1.御書をすきかえした(または、御書を焼いた)
     2.御書の刊行を禁止した(または、御文の削除をした)
 二、イ、1
   ロ、3
   ハ、2
 三、イ、3
   ロ、4
   ハ、1
   ニ、2

問五
 一、破和合僧
 二、一凶
 三、3 2
 四、(例1)日蓮大聖人の仏法における血脈とは、本来、万人に開かれたものであり、特定の人間のみが独占するものではない。
   (例2)日蓮大聖人の仏法における血脈とは、「信心の血脈」のことであり、日顕宗の特権的・神秘的な血脈観は、邪義である。


 範囲外の問題もありますので100点は難しいかも…。

2009/11/22  初級・3級教学試験 研鑽問題(2009年) その5

 練習問題です。

問五 「日顕宗を破す」(教学入門)について、一~四の問いに答えなさい。
 一、仏意仏勅の教団である創価学会の破壊を企てた日顕の罪は、仏法上の大罪である「五逆罪」のうち、何にあたるか答えなさい。
  (       )の罪
 二、左の御文の[   ]に正しい言葉を書き入れなさい。
 「如かず彼の万祈を修せんよりは此の[   ]を禁ぜんには」(立正安国論)
 三、次の御文の(   )に入る正しい言葉を選び、その番号を丸で囲みなさい。
 「信心ふかきものも法華経のかたきをばせめず、いかなる大善をつくり(1.大乗経  2.小乗経  3.法華経)を千万部読み書写し一念三千の観道を得たる人なりとも(1.悪知識  2.法華経の敵  3.謗法)をだにも・せめざれば得道ありがたし」(南条兵衛七郎殿御書)
 四、”相承を受けた法主にだけ仏の悟りが伝わる”とする、日顕宗の血脈観を簡潔に破折しなさい。
 (                 )

2009/11/22  初級・3級教学試験 研鑽問題(2009年) その4

 練習問題です。

問四 「地涌の使命と実践」(教学入門)について、一~三の問いに答えなさい。
 一、次の文章について、間いに答えなさい。
 日蓮大聖人の御入滅後、五老僧は大聖入の御深意を知らず、御書をないがしろにした。これに対して、大聖人の著作をずぺて「御書」と呼んで尊重し、後世のために収集、書写に努められたのが[   ]である。この精神を受け継ぎ、創価学会では、昭和27年(1952年)4月28日、戸田城聖第2代会長の発願により、『日蓮大聖人御書全集』を発刊。これに比べて日蓮正宗宗門は、戦時中、国家神道と結びついた軍部権力の弾圧を恐れて、大聖人門下としてあってはならない誤りをした。
  イ、右の[   ]に、もっとも適切な人物名を書き入れなさい。
  ロ、2カ所の太文字に関して、御書を軽視した1.五老僧、2.宗門が犯した誤りの具体例を、それぞれ一つ挙げなさい。
   1.五老僧(            )
   2.宗門(            )

 二、次の仏法用語に関連する内容を1~3の中から透び、(   )に書き入れなさい。
  イ、諸天善神(   )
  ロ、善知識(    )
  ハ、随方昆尼(    )
  1.梵天、帝釈、日天、月天、明星天、天照大神、八幡大菩薩など、正法を受持する人とその国土を守護する一切の天、神のこと。
  2.仏法の根本の法理に違わない限り、各国・各地域の風俗や習慣、時代の風習を尊重し、それに随うべきであるとした教えのこと。
  3.正しく仏道に導いてくれる師匠や、仏道修行を励ましてくれる同志のこと。

 三、次のイ~二の文章を読んで、もっとも関係の深い御文を1~4から選び、(   )に書き入れなさい。
  イ、日々の生活、現実の社会が、そのまま仏道修行の場、信心成長の場になることを教えられている。
  ロ、信心こそが、時代・社会の相違を超えて、人生の根本的な勝利、真の幸福を勝ち取っていく源泉である。
  ハ、仏法といっても、人間としての生き方を離れてはありえない。
  ニ、邪義に鞍着し、正法を破壊しようとする者に対しては厳しく破折しなけれぱならない。
(御文)
  1.「教主釈尊の出世の本懐は人の振舞にて候けるぞ」(崇峻天皇御書)
  2.「謗法を責めずして成仏を願はば火の中に水を求め水の中に火を尋ぬるが如くなるべしはかなし・はかなし」(曾谷殿御返事)
  3.「御みやつかいを法華経とをぼしめせ、『一切世間の治生産業は皆実頼と相達背せず』とは此れなり」(檀越某御返事)
  4.「仏法と申すは勝負をさきとし、王法と申すは賞罰を本とせり」(四条金吾震御返事)

2009/11/22  初級・3級教学試験 研鑽問題(2009年) その3

 練習問題です。

問三 次の一~三の問いについて、それぞれ答えなさい。
 一、左のイ、ロの御文の[   ]に正しい言薬を書き入れなさい。
  イ、「此の曼荼羅能く能く信ぜさせ給うべし、南無妙法蓮華経は[   ]の如しいかなる病さはりをなすべきや」(経王殿御返事)
  ロ、「師とは師匠授くる所の妙法、子とは[  ]受くる所の妙法・吼とは[  ]共に唱うる所の音声なり」(御義口伝)

 二、次のイ~ハの御文の(   )に入る正しい言薬を(語群)から選び、その番号を書き入れなさい。
  イ、「過去の因を知らんと欲せば其の(   )を見よ、未来の果を知らんと欲せば其の(   )を見よ」(開目抄)
  ロ、「我が弟子等心みに(   )のごとく身命もおしまず修行して此の度(   )を心みよ」(撰時抄)
  ハ、「其の国の仏法は(   )にまかせたてまつり候ぞ、仏種は縁に従って起る、是の故に(   )を説くなるべし」(高橋殿御返事)

(語群)1.仏法  2.現在の因  3.貴辺  4.法華経  5.現在の果 6.一乗

 三、「よき弟子をもつときんば師弟・仏果にいたり・あしき弟子をたくはひぬれば師弟・地獄にをつといへり、[   ]」(華果成就御書)の御文について、[   ]に入るもっとも適切な内容を、次の1~3の中から選び、丸で囲みなさい。
  1.自分なりに師匠の教えを受け止めていくことが大切である。
  2.良い弟子を多くもつことは師匠にとつて幸せなことである。
  3.師匠と弟子の心が違えば何事も成就することはできないのである。

2009/11/22  初級・3級教学試験 研鑽問題(2009年) その2

 練習問題です。

問二 次のイ~ホの御文について、[   ]に為てはまる言葉を、1~5の中から選びなさい.
 イ、「釈尊の因行果徳の二法は妙法蓮華経の五字に具足す我等此の五字を受持すれば[   ]」(観心本尊抄)
 ロ、「いかにも今度信心をいたして法華経の行者にてとをり、日蓮が一門となりとをし給うべし、[   ]」(諸法実相抄)
 ハ、「世間の浅き事には身命を失へども[   ]故に仏になる人もなかるべし」(佐渡御書)
 二、「一代の肝心は法華経法華経の修行の肝心は不軽品にて候なり、不軽菩薩の人を敬いしはいかなる事ぞ[   ]」(崇峻天皇御書)
 ホ、「日蓮がたましひをすみにそめながしてかきて候ぞ信じさせ給へ、仏の御意は法華経なり[   ]」(経王殿御返事)

  1.日蓮と同意ならば地涌の菩薩たらんか
  2.日蓮がたましひは南無妙法蓮華経にすぎたるはなし
  3.教主釈尊の出世の本懐は人の振舞にて候けるぞ
  4.大事の仏法なんどには捨る事難し
  5.自然に彼の因果の功徳を譲り与え給う

2009/11/22  初級・3級教学試験 研鑽問題(2009年) その1

 練習問題です。

問一 次の一~四の御文について、それぞれの問いに答えなさい。
一、「日蓮が[  ]曠大ならば南無妙法蓮華経は万年の外・[  ]までもながるべし、日本国の一切衆生の盲目をひらける功徳あり、無間地獄の道をふさぎぬ、此の功徳は伝教・[  ]にも超へ竜樹迦葉にもすぐれたり」(報恩抄)
 イ、右の御文の[  ]に正しい言葉を書き入れなさい。
 ロ、「日本国の一切衆生の盲目をひらける功徳あり」との仰せは、主師親の三徳でいえぱ、どれにあたるか答えなさい。(  )の徳

二、「なにの兵法よりも[          ]をもちひ給うべし、「諸余怨敵・皆悉摧滅」の金言むなしかるべからず、兵法剣形の大事も此の妙法より出でたり、ふかく[   ]をとり給へ、あへて[   ]にては叶うべからず候」(四条金吾殿御返事)
 イ、この御書の別名を答えなさい。 (       )
 ロ、右の御文の[  ]に正しい言葉を書き入れなさい。
 ハ、「諸余怨敵・皆悉摧滅」は、法華経何品の言葉か答えなさい。 法華経(   )品

三、「畜生の心は弱きをおどし強きをおそる当世の学者等は畜生の如し智者の弱きをあなづり王法の邪をおそる諛臣と申すは是なり強敵を伏して始て力士をしる、悪王の正法を破るに邪法の僧等が方人をなして智者を失はん時は[   ]の如くなる心をもてる者必ず[   ]になるべし例せば[   ]が如し」(佐渡御書)
 イ、「智者」とは、ここではだれのことをさしているか。次の1~3から選びなさい。
  1.釈尊  2.極楽寺良観  3.日蓮大聖人
 ロ、右の御文の[  ]に正しい言葉を書き入れなさい。
 ハ、「強敵を伏して始て力士をしる」とは、どういう意味か。次の1~3から適切なものを選びなさい。
  1.強敏に随えば、カある人と知り合うことができる。
  2.強敵に倒されることで、相手の力量を知ることができる。
  3.強敵に勝ってこそ、力ある人物であると証明することができる。

2、日蓮大聖人は「悪王の正法を破るに邪法の僧等が方入をなして智者を失はん時」と、”弾圧の構図”を示されている。「政治的権力」「宗教的権威」の二語を用いて、法華経の行者への弾圧の構図について、簡潔に述ぺなさい。
(                        )

四、「此の法門を申すには必ず[   ]出来すべし(          )、第五の巻に云く「行解既に勤めぬれば[   ]紛然として競い起る乃至随う可らず畏る可らず之に随えば将に人をして[   ]に向わしむ之を畏れば[   ]を修することを妨ぐ』等云云」(兄弟抄)
 イ、右の御文の[   ]に正しい言葉を書き入れなさい。
 ロ、(   )に入る御文の趣旨を書きなさい。(            )

2009/11/22  初級・3級教学試験 教学入門 まとめ

 教学入門の範囲は広く、難しい用語もあると思います。
 中には日常的に使われている語句もありますね。

 各章で出て来る御書の御文は暗記をして下さい。
 年号や日付も覚えた方が良いでしょう。
 漢字で回答しなくても、大丈夫です。
 ひらがなでも不正解にはなりませんよ。
 「日顕宗を破す」は範囲が狭いが、配点が高いので必ず覚えましょう。

 試験の肝要は「師弟不二」「報恩」「難を乗り越える信心」「不惜身命」「異体同心」です。
 御書と大白テキストは書込んでボロボロにしましょう。

2009/11/22  初級・3級教学試験 教学入門 その6

6.日顕宗を破す



悪と戦う
 日蓮大聖人は、「立正安国論」のなかで「如かず彼の万祈を修せんよりは此の一凶を禁ぜんには」(24ページ)、「須く凶を捨てて善に帰し源を塞ぎ根を截べし」(25ページ)と仰せです。仏法を正しく実践していくうえで一番大事なことは、人々の心を惑わす根本の悪縁である「一凶」と戦い抜くことです。
 「信心ふかきものも法華経のかたきをばせめず、いかなる大善をつくり法華経を千万部読み書写し一念三千の観道を得たる人なりとも法華経の敵をだにも・せめざれば得道ありがたし」(1494ページ)
 どんなに善根を作って、仏法の修行を重ねても、「法華経の敵」を責めなければ成仏は叶わないと仰せです。
 「法華経の敵」とは、人々に法華経を捨てさせ、万人の成仏の道を塞ぐ者をいいます。法華経は誰人の生命にも仏性があると説く、究極の「人間尊敬」の思想です。この法華経の考えを否定し、「生命尊厳」「万人平等」「民衆根本」の思想に逆行し、法華経の行者を迫害する者が「法華経の敵」にあたります。
 日蓮大聖人御在世当時であれば、権力と結託して、弾圧を企て日蓮大聖人を迫害した僭聖増上慢・極楽寺良観が「法華経の敵」となります。
 そして、現代であれば、日蓮大聖人の御遺命である広宣流布を担う仏意仏勅の団体を破門し、破壊しようと企てた日顕が「法華経の敵」に当たります。
 日顕が犯した最大の罪は、この「破和合僧」の罪です。広布を推進してきた創価学会の組織破壊の謀略を企てたことは、日蓮大聖人の御遺命に違背した最大の謗法であるといえます。

日顕宗の主な邪義

(1)日顕宗の中心教義「法主信仰」
 現宗門を、なぜ「日顕宗」と呼ぶのか。それは、日顕宗の教義が、法主を信仰の対象としているからです。
 「日興遺誡置文」には、次のようにあります。
 「時の貫首為りと雖も仏法に相違して己義を構えば之を用う可からざる事」(1618ページ)
 この遺誡は、たとえ法主であろうとも仏法から逸脱して、白分勝手な主張をする場合は、それを用いてはならないと断言されているものです。また、この仰せからうかがえるように、日興上人は、後代の法主が誤りを犯すこともありうると想定されていたのです。
 この「遺誡置文」に照らしても、法主を絶対視することは、日蓮大聖人・日興上人に完全に違背した邪義であることは明白です。

(2)神秘的血脈の嘘
 もともと「血脈」とは、真言密教や日本天台宗で盛んに用いられた言葉で、師匠から弟子へ法門が受け継がれることを、血管に血が流れていることに譬えたものです。
 それに対して日蓮大聖人は、「生死一大事血脈抄」に「日本国の一切衆生に法華経を信ぜしめて仏に成る血脈を継がしめんとする」(1337ページ)と仰せになり、成仏の血脈は特定の人間のみが所持するものではなく、万人に開かれるものであることを明確に示されています。
 そして、日蓮大聖人の仏法においては、「血脈」といっても、結論は「信心の血脈」という表現にあるように「信心」のことです。

(3)「僧俗差別義」の時代錯誤
 日顕および日顕宗の僧侶に共通しているのは、”僧が上で信者は下”という、信徒に対する抜きがたい「差別思想」です。
 日蓮大聖人は「此の世の中の男女僧尼は嫌うべからず法華経を持たせ給う人は一切衆生のしうとこそ仏は御らん候らめ」(1134ページ)、「僧も俗も尼も女も一句をも人にかたらん人は如来の使と見えたり」(1448ページ)と、明確に僧俗の平等を説かれています。
 日顕宗がこうした平等観を真っ向から否定する背景には、江戸時代を中心に日本の仏教が葬式仏教化し、檀家制度が普及したことがあげられます。
 その檀家制度の弊害を体質として深く残している時代錯誤の集団が日顕宗です。僧俗差別義はその象徴といえるのです。

2009/11/22  初級・3級教学試験 教学入門 その5

5.地涌の使命と実践



御書
 五老僧たちのなかには、仮名交じりの御書は大聖人の恥であるとして、御書をすきかえして(水に溶かして再び紙にすること)しまったり、焼いたりする者もいました。これは、五老僧たちが、大聖人を末法の御本仏と拝することができなかったからです。
 これに対して日興上人は、大聖人の著作をすべて「御書」と呼んで尊重し、散在していた御書の収集を図られ、後世に残すため書写に努められました。
 この日興上人の精神を継いで、創価学会では、戸田城聖第2代会長の発願により、昭和27年(1952年)4月28日に『日蓮大聖人御書全集』を発刊しました。
 堀日亨上人の研究成果を踏まえ、正しい法理に基づいて御書を集大成したことは、700年間誰人も成し得なかった快挙であり、御書を信仰の根本とする創価学会の信心を示した大事業でした。
 これに比べて日蓮正宗宗門は、戦時中、国家神道と結びついていた軍部権力の弾圧を恐れて、時勢に照らして支障のある御書の御文を削除するという、大聖人門下としてあってはならない誤りを犯したのです。
 昭和16年(1941年)8月に、御書の刊行を禁止する院達を出し、さらに同年9月には、宗務院教学部長名で計14カ所に及ぶ御文の削除を通達したのです。
 「御書根本」を貫く創価学会と、御書を軽視し続けてきた宗門と、その相違は明確です。

信心と生活
 御書には「御みやつかいを法華経とをぼしめせ」(1295ページ)と仰せです。
 「御みやつかい」とは、今日の私たちの立場にあてはめれば、職業・仕事・生活にあたります。
 したがって、この御文は、日々の生活、現実の社会が、そのまま仏道修行の場、信心成長の場となることを教えられています。
 さらに御書には「仏法と申すは道理なり道理と申すは主に勝つ物なり」(1169ページ)、「仏法と申すは勝負をさきとし、王法と申すは賞罰を本とせり」(1165ページ)と仰せです。
 ”仏法は勝負”であり、信心こそが、時代・社会の相違を超えて、人生の根本的な勝利、真の幸福を勝ち取っていく源泉です。したがって、どのような状況にあっても、信心を根本として、勝利の実証を示していくことが大切です。

善知識と悪知識
 「知識」とは元来、仏教用語では友人・知人を意味する言葉です。「知識」のなかでも正しく仏道に導いてくれる師匠や、仏道修行を励ましてくれる同志を「善知識」といい、その逆に、仏道修行を妨げ、人を迷わして悪道に導く者を「悪知識」といいます。
 「種種御振舞御書」には「釈迦如来の御ためには提婆達多こそ第一の善知識なれ、今の世間を見るに人をよくなすものはかたうどよりも強敵が人をば・よくなしけるなり」(917ページ)と説かれ、「富木殿御返事」には「諸の悪人は又善知識なり」(962ページ)と述べられています。

諸天善神
 この諸天善神は、私たちの生命と別に、それ自体の意思をもって存在しているものではありません。
 私たちの生命の力、一念の働きが社会や環境などの依報のうえに反映し、それがさまざまな働きとして顕れてくるのです。
 このことについて日蓮大聖人は「元品の法性は梵天・帝釈等と顕われ元品の無明は第六天の魔王と顕われたり」(997ページ)と仰せになっています。
 すなわち、私たちの生命に具わる根本の悟りの生命(=元品の法性)が、諸天善神の守護の働きとして顕れ、逆に根本の迷いの生命(=元品の無明)が、第六天の魔王の働きとして顕れるのです。

謗法厳誡・随方毘尼
(1)謗法厳誡
 謗法とは、「誹謗正法」すなわち正法を誹謗する(=謗る、悪口を言う)ことをいいます。
 正法に背き、正法を信じようとしない不信は謗法となりますから、謗法は自ら厳しく戒めなければなりません。
 それとともに、成仏のためには自ら謗法を犯さないようにするだけでなく、他の謗法を責めていく折伏の実践が、謗法厳誡の肝要となります。
 大聖人は「謗法を責めずして成仏を願はば火の中に水を求め水の中に火を尋ぬるが如くなるべしはかなし・はかなし」(1056ページ)と仰せです。

(2)随方毘尼
 「随方」とは、地域の風習に随うこと、「毘尼」とは、戒律の意味です。
 日蓮大聖人は「此の戒の心はいたう事かけざる事をば少少仏教にたがふとも其の国の風俗に違うべからざるよし仏一つの戒を説き給へり」(1202ページ)と仰せです。
 要するに、正法という根本基準を立てたうえで、成仏・不成仏という仏法の根本原理に関する事柄でなければ、一般の風俗、世間の普通の約束事を尊重し、用いていくことを説いているのが大聖人の仏法です。