2009/05/22  久々の似非科学、銀イオンにはご用心!

先日ニュースのヘッドラインで似非科学が出てた。

テレビ通販最大手に排除命令=「抗菌容器」と不当表示-公取委
 テレビショッピング最大手のジュピターショップチャンネル(東京)が、実際には抗菌作用がない食品保存容器を抗菌容器とうたって販売していたとして、公正取引委員会は20日、同社に景品表示法違反(優良誤認)で排除命令を出した。同社が排除命令を受けるのは2007年に続いて2度目。
 公取委によると、同社は08年1月から12月にかけ、セットに応じ600~4662円で「抗菌保存容器ターク」を通信販売番組「ショップチャンネル」やホームページ(HP)などを通じて販売。番組出演者に「抗菌性が優れている」などと商品を紹介させたほか、「銀ナノ粒子で抗菌」などと表記していたが、実際には素材に銀は使っておらず、抗菌効果もなかった。製造業者が示したサンプル品のデータをうのみにしていたという。
 同社によると、タークは人気商品で、累計約10万セットを販売、約2億3000万円を売り上げた。既に全商品を回収し返金したという。(2009/05/20-16:55)時事通信
銀の殺菌効果なんて有効分量にしたら、価格がとんでもない事になるよ。採算なんて取りづらいよね。
銀を使ってないのは問題外だが、使っていても問題はある。(小林製薬は商品の回収をしている
確かに銀による殺菌効果はあるが通常は電極端子に銀を使って電気分解状態で液体を処理する。(公衆浴場などの殺菌システムがある、実際に効果がなければ検査に合格は出来ないからね)
銀の微粉末での殺菌効果がどれほどあるかは不明瞭だ。

第一ナノレベルの銀微粉末での安全性が確認できていない。
食品添加物に銀が認められている事を安全性をうたう商品が多々あるが、あくまで銀箔などでの添加だ。
食品添加物で認められてる=安全なら「サッカリン」はどうなんだ?
サッカリンの発がん性が言われるようになって今では殆ど使われていない。

それに現に銀の抗菌処理をしたカテーテルで重篤な事例もある。

銀が比較的人体に対してアレルギー反応が少ない(無いではない)のであって、体内に取り込んでも安全とは言いがたい。

そもそも重金属は一度体内に取り込むと排出は難しい。
必須ミネラル金属の銅でも過剰に摂取すれば「中毒」は起きる。
銀が起きないとは言い切れない。

また、一般の浄水器にも活性炭の抗菌剤として銀は使われているが、その使用は明記はされていない。
しかも大手メーカーのカートリッジには「浄水器の水で、金魚などの養魚には使用しないでください」との注意書がある。
薬品や汚染に敏感な魚には影響がでる抗菌剤を我々は使っているのです。

また銀・銅による殺菌メカニズムも解明はされていない。
イオンが電荷で細胞分裂を阻害するからとか、銀の表面に活性酸素が出来て細胞を壊すとか、実しやかに言われるがこれも想像の範囲だ。

私には、なぜ銀は細菌の細胞を壊すが、人の細胞は壊さないと言い切れるのかが判らない。
銀には人細胞と細菌細胞を見分ける「眼」があるのだろうか?

 追記:殺菌メカニズムは細菌内の硫黄と銀がイオン化合して、細菌の成長サイクルを阻害させるそうです。
 人間の細胞は成長サイクルに硫黄を使っていないので、大丈夫なんだそうです。
 硫黄を使う細菌の大腸菌・黄色ブドウ球菌などに効果があるそうです。

他にもジュピターショップチャンネルで同じく販売している岡○美希の化粧品もかなり怪しい。(というか化粧品自体が似非科学のオンパレードが多い)
無鉱物油/無香料/ノンパラベン/タール系色素不使用/石油系界面活性剤不使用をうたうが、主成分はタルク、カオリン、水酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化鉄で出来ているから当たり前の話だ。
お笑いな事にタルクもカオリンも鉱物だ、なのに無鉱物油と宣伝する。
水酸化アルミニウムは水やアルコールには溶けないから使いたくても使えないのだ。
まして酸化チタンは触媒効果で活性酸素を発生させる。

女性は微粉末のファンデーションを顔に塗る。
口や目・鼻粘膜から摂取する可能性が高い。
体内に取り込んだ、これら鉱物が健康に影響を与える事はあっても、無いとは言えない。

鉱物・金属のナノ粒子が人体に与える影響の研究は始まったばかりです。
良さそうと思って使用してると後々とんでもない健康被害が出るかもしれませんよ。