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桜金造氏が都知事選出馬
　お笑いグループ「ザ・ハンダース」の元メンバーで、タレントの桜金造氏（５０）が１６日、東京都知事選（２２日告示、４月８日投開票）に出馬する意向を明らかにした。政策に共鳴できる候補がいなかったことが決意のきっかけで、少子化対策などを訴えていく方針。１９日にも記者会見する。石原慎太郎知事（７４）ら５人が立候補を表明している都知事選は突如現れた「第６の男」の存在で混戦模様に拍車が掛かりそうだ。

　告示まで１週間を切った首都決戦に、サプライズなお笑い候補が割り込んできた。

　１６日午後、金造氏本人が東京都庁内の都選挙管理委員会を訪れ、立候補に必要な届け出書類を受け取った。その後、報道陣に「１５日夜の（都知事選立候補予定の）公開討論会で、自分と似た意見の候補がいなかった」と出馬理由を語った。

　討論会会場と金造氏の事務所は同じ中野区内にあり、徒歩１０分ほどの距離にある。自ら足を運び討論会を聴き、思いを強くしたという。

　「思いつき出馬」にも見えるが「東京に５０年住んできて、温暖化問題など自分にしか分からないことがある」と熱っぽく語り、「都民の生活保護申請は、すべて受け付ける。少子化対策として今いる子供を大切にする」と政策を掲げた。

　金造氏は「ザ・ハンダース」や「アゴ＆キンゾー」で活躍。７０～８０年代にお笑い界に鮮烈な足跡を残した。俳優としても活動する一方で、創価学会の活動に熱心なことでも知られる。

　今回は無所属での出馬になりそうだが「タレントの応援は頼まない。私には何もないから地道にやっていく」と明言。公明党内部に詳しい政界関係者によると、熱心な取り組みや気さくな人柄から党内でも人気があるという。都内で同党は８０～１００万票の固定票を持つとも言われ、金造氏に大量に票が流れる可能性がある。

　都選管によれば、先月から始まっている届け出の必要な書類はこれまで計４４人に配布し、この日は金造氏を含めて４人が受け取ったという。既に書類の事前審査も１２日から始まっている。

　都知事選には、石原知事を始め、建築家の黒川紀章氏（７２）、前宮城県知事の浅野史郎氏（５９）、共産党推薦の吉田万三氏（５９）ら主要４候補が出そろったほか、「ふくろう博士」こと教育評論家の古川のぼる氏（７２）が出馬予定だ。金造氏は「取りあえず友人が机を貸してくれます」と選挙事務所の準備に入った。混迷を深める戦いでどこまで存在感を示せるか。

　◆金造氏という男

　金造氏は、１９５６年１２月２９日に広島県で生まれた。その後、東京・杉並区に移った。本名は佐藤茂樹で、最初は、佐藤金造の芸名で活動しており、その名付け親は俳優の故・松田優作さんだと豪語している。

　保善高校から編入した都立井草高校定時制在学中にＴＢＳ系「ぎんざＮＯＷ！」の素人コメディアン道場で芸能界デビュー。高校卒業後、国士舘大学に通ったが中退。７５年に清水アキラらとお笑い集団「ザ・ハンダース」を結成。「思い出の渚」のカバーが大ヒットしブレークした（８０年に解散）。

　その後、メンバーだったあご勇とコンビ「アゴ＆キンゾー」を組み活躍。鼻の穴に親指を突っ込み、栃木県の小山ゆうえんちのＣＭをパロディーにしたキラーギャグもそのころ生まれた。俳優業にも進出し、映画「マルサの女」などに出演。

　９０年に「ビートたけしのお笑いウルトラクイズ」のワニクイズで、ワニ怖さから泣きながらセットを壊すと大ウケ。第３回チャンピオンに輝き、同番組の“顔”の１人となり、体を張ったギャグで活躍。

　９５年から１０年間ＮＨＫ「お江戸でござる」にレギュラー出演したほか、ロックバンド「西東京」を結成しライブなどの音楽活動も。ホラーに造けいが深いことでも知られている。
（2007年3月17日06時04分 スポーツ報知）