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2011/10/22  「敵の敵は味方」なら、では「味方の敵は敵」か?

 内戦も戦争です。
 大変な状態ですね。
 リビアのカダフィ大佐が死亡しました。
 これでリビア全土は、完全に反体制・反政府組織の「リビア国民評議会」が掌握した事になります。
 日本のメディアでは「独裁者が討たれた」「内戦が終わった」的な感じでニュースが流れてますが、リビアではこれからが一番大変でしょうね。

 リビアの歴史を見ると一筋縄で収まらないのが判ります。

 リビアはイスラム・ウマイヤ朝(661年-750年)の頃からイスラム教の国でした。
 ムハンマドがイスラム教の啓示を受けたのが610年なので、イスラム教の歴史の深い国ですね。
 16世紀からはオスマン帝国の支配下でした。
 オスマン帝国もイスラム教です。
 1911(明治44)年に、イタリア王国が伊土戦争によって植民地にします。
 ここで支配者はキリスト教、国民はイスラム教になりました。
 当然に対立構造が出来上がります。

 イスラム神秘主義のイスラム教団を率いていた、イドリース一世がオスマン帝国の後ろ楯でゲリラ運動を開始します。
 このイドリース一世も、青年トルコ革命でオスマンからは弾圧されていたんですが、「敵の敵は味方」とオスマンと手を結んだんですね。
 第二次世界大戦では、枢軸国のイタリア・ドイツ相手に北アフリカ戦線で戦います。
 ここでも、「敵の敵は味方」とキリスト教国のイギリスと手を結び、連合国側に付きます。
 戦後、1949年イドリースは「リビア王国(リビア連合王国)」の独立を宣言し、1951年連合国から承認されます。
 当然にイドリースは親欧米路線の国策運営をします。

 国民は、オスマンの支配下でも搾取はされましたが、同じイスラム。
 独立はしていなくとも、元々のイスラムの部族主義もあって不満は少なかった。
 しかし、散々イタリアに搾取されたのと、19世紀からの民族主義の台頭もあって、イスラムだけの独立「汎アラブ主義」が主流を占めます。
 イドリース一世は、豊富な産油を欧米に売り国益を得ますが、その利益の殆どを親族に分配したのです。
 国民は、恩恵を受けなかったので、大いに反感を募らせました。
 ましてや、大戦中は「イギリス軍」対「イタリア・ドイツ軍」の戦闘で犠牲者も街の破壊も起きています。
 「なんで余所の国の軍隊がウチの国で戦うんだ?」
 「そんなキリスト教連中に恨みこそあれ、媚びを売るなんて」と不満は大きかった。
 そんな中、1969(昭和44)年イドリースのトルコでの療養中にクーデターが起こります。

 クーデターの指導者が、日本では「カダフィ大佐」と呼ばれる「ムアンマル・アル=カッザーフィー」です。
 (元々は中尉でしたが、クーデターで大佐になります。)
 イドリース一世国王は、そのままトルコに亡命し、カダフィは「リビア・アラブ共和国(大リビア・アラブ社会主義人民ジャマーヒリーヤ国)」を建国します。
 概ね国民からは、無血クーデターもあって認められ大きな混乱もありませんでした。
 カダフィが目指した国は、社会主義のイスラム国家だったので、反欧米イスラエル・親アラブ路線でした。
 (ここでも「敵の敵は味方」とカダフィ政権は比較的イタリアとは友好的です。その為、産油はイタリアに輸出されている。)

 1970~80年代は、反欧米イスラエルのテロ支援を行ったとして、アメリカからは睨まれもし1986年には米英軍による「リビア爆撃」もされます。
 イタリアは、この空爆情報をリビアに渡し、カダフィは難を逃れます。
 イタリアにしてみれば、石油利権の為に情報を流したとも見れますね。
 この空爆では多数の一般市民の犠牲者が出ています。
 国民は空爆によって、「反欧米」感情に傾きます。
 命からがら空爆を逃れたカダフィは所在を転々としながら、反イスラエルはそのまま、反欧米・親アラブ路線を変化させます。
 反イスラエルで、親イスラエルのエジプトとは仲悪く、他のアラブ諸国がイスラエルと和平するなどもあって、親アラブ路線から親アフリカ路線へ変更します。
 また9.11のテロには早くからアルカイダに批難をし、2003年には核開発を認めIAEAの査察も受けます。
 2006年には「テロ支援国家」の指定も外され経済封鎖も解かれます。
 2008年にはアメリカと国交正常化し、2009年には、オバマ米大統領と会談もした。
 また、イタリアのベルルスコーニ首相が植民地時代の支配の謝罪・賠償に合意し、国民からも評価は高かった。
 態度を変えたかに見えたカダフィだが、2009年のニューヨークでの国連総会に出席した時には、国連憲章を投げ棄てるパフォーマンスも見せ、「やっぱりカダフィはカダフィか?」とも思わせた。

 概ね、国際社会でリビアの地位を上げ、イドリース一世の様に親族が富の独占をした訳でもない。
 国民は税が殆どなく、教育も十分に受けられる社会を作った。
 ここ10年のカダフィの評価は決して低い物ではなかった。
 「国民が豊かになってから、私の贅沢が許される」とまで言ったカダフィ。
 質素倹約を旨としていて、子ども達も贅沢はさせていない。

 しかし、カダフィは国民の「言論の自由」だけは認めなかった。
 反対勢力は徹底的に弾圧したのです。
 チェニジアのジャスミン革命、エジプト騒乱の波及を恐れたカダフィは武力鎮圧でデモを押え込んだ。
 2011年2月に始まったデモは3月には、鎮圧され政府側の勝利に見えた。
 しかし、このデモ鎮圧では多数の死者(報道では250名超)が出ました。

 反政府勢力の「リビア国民評議会」は助けを外国に求めます。
 ここでも「敵の敵は味方」とばかりに、欧米に訴えます。
 この鎮圧の非人道性を訴えますが、始めは諸国は乗り気でありませんでした。
 諸国にしてみれば「内政干渉」なんですよね。
 しかし3月12日にはアラブ連盟が、リビアにおけるカダフィ政権の正当性を否定します。
 カダフィの「親アラブ路線」から「親アフリカ路線」に切り替えた事が裏目に出ます。
 アラブにカダフィの味方が居ません。
 3月17日、カダフィは強気にも、反勢力への総攻撃と無差別殺戮をも辞さないと演説してしまいます。
 それが決定打になって、国連安保理は「多国籍軍の空爆」と「飛行禁止区域の設定」の採択を決議します。
 さて、多国籍軍の空爆が開始され、リビアの首都トリポリ、西部ミスラタを攻撃します。
 多数の市民が犠牲になり、その数は1000名を超すとの報道もあります。
 いつも犠牲になるのは、無辜の市民なんですね。
 この空爆もあって「リビア国民評議会」は盛り返し、8月には首都が陥落します。
 リビア政府軍は瓦解し、カダフィは首都を脱出します。
 もうこうなると「リビア国民評議会」側の掃討戦です。
 政府関係者は拘束され、カダフィに賞金を懸けます。
 反政府軍は血まなこになって、垂れ込みや情報を集め、掃討軍を送る。
 で、2011年10月20日にカダフィは発見され殺されました。

 確かにカダフィは独裁者で、長年指導者として君臨してきた。
 ネットも規制し、言論を封鎖し、デモには銃弾で答えた。
 ジャスミン革命やエジプト騒乱を見ると、ネットの規制も、言論の封鎖も、革命の決定的な切っ掛けにはなっていない。
 デモに対し、暴力が切っ掛けになっている。
 ジャスミン革命では警官の暴力が切っ掛けだった。
 エジプト騒乱では、デモ鎮圧での死者が出た事が切っ掛けだった。

 サウジアラビアでは、警察の身柄拘束をしてデモの鎮圧をしている。
 イエメンやバーレーンでは警察が、デモ鎮圧にゴム弾や催涙ガスを使っている。
 シリアでは、武力鎮圧と市民に対し、水と食料の供給停止と言う手段を取っている。


 イドリース一世は、国民念願の独立を勝ち取ったが、その贅沢さで倒された。
 カダフィは国民を飢えさせない国を作ったが、その頑迷さで倒された。
 カダフィは行った国策は
 ・家族手当は約76,000円/年
 ・赤ちゃんが産まれるたびに、約532,000円
 ・結婚すると、住宅手当て助成金が出る約500万円(無税)
 ・教育費大学卒業まで無料
 ・医療費生涯無料
 ・外国での研修費政府負担
 ・大家族の食糧費固定相場
 ・薬剤師になるための必要な額 無料
 ・大豪邸禁止
 ・車の購入費を市が50%負担
 ・電気代無料
 ・アルコールの売買及び飲酒の禁止
 ・ガソリンの価格は10円/L
 この高福祉社会でも、言論の自由を求めて倒された。
 

 新政権「リビア国民評議会」は、今後上手く行きますでしょうか?
 チェニジアやエジプトの様に、富の再分配が原因でデモが起きた訳ではない。
 この混乱に乗じて、欧米が石油利権に食い込む事は容易に想像できる。
 同じような高福祉が持続するかは不透明だ。

 「敵の敵は味方」と欧米に空爆させた国民評議会。
 イスラム社会は「眼には眼を、歯には歯を」ですよ。
 いつまでたっても忘れる訳がない。
 アフガニスタンだって、イラクだって、開放してくれた事と、空爆で殺された事は別物として見てるから米軍は怨嗟を受けている。

 日本人が米軍の空襲で多数の市民が亡くなっても、そのアメリカと仲良く出来るのは何が原因でしょうか?
 カダフィの「(日本が)広島と長崎に原爆を落とした米国の駐留を認めているのは悲しいことだ。あなたたちの祖父などを殺した国となぜ仲良くなれるのか」との疑問はムスリムとしては当然の疑問なんでしょう。
 この辺の感覚は日本人独特の物かも知れませんね。
 どんな酷い人でも「死ねば仏」と言うか、「罪を憎んで人を憎まず」なのか?
 元寇でも、難破して岸に打ち上げられた元・高麗人は掃討したが、圧倒的多数だった南宋人は保護してる。
 しかし、その討ち取った元・高麗人でも首塚・耳塚を作って弔っている。
 日本人は、米軍を「キリスト教」とは思わないが、十字軍を経験しているイスラムでは「キリスト教」と認識している。
 こう思うのは私が戦後生まれで、戦争を知らないからなのかも知れない。
 でも、この殴られた相手と仲良くしている日本人が、世界で不思議がられているのは事実でしょう。

 最近はグローバル化してきて、イスラム社会でも対話で解決するようだけど、未だ武力で解決を試みる事もあるようだ。
 (ガザ地区などで散発的に衝突が起きるのは、この考え方が残っているから…。)

 「敵の敵は味方」は結局は、一方の「敵」が居なくなれば「味方だった敵」は「ただの敵」に戻るだけ。
 「敵の敵は味方」論法は、某法華講辺りが、よくやってますね。
 でも、当たり前に結局は仲違いしてるんだよね。(笑)おっと脱線した。(^^)

 「本当の味方」を作らないと、結局は「自身以外味方がいない」のですね。
 では、一時的な友好ではなく、恒久的な友好はどうやったら出来るのでしょうか?
 その「敵」は、本当に恒久的な「敵」なんでしょうか?
 そう、池田先生の言われる「敵を味方に変える」事が最善なんですよね。

 「敵を味方に変える」簡単な様で、とても難しい事ですね。(^^)
 私は先日、取り敢えず「敵」を「素敵」にまでは、変えて来ました。(笑)
 絶対に「味方」しますよ。(^^;;ココカラガイチバンムズカシイ!!

2010/07/24  外国人参政権って判ってる?

 先日、友人から質問があった。
 「なんで公明党は外国人参政権に熱心なの? こういう噂を見たんだけど…そうなの?」と下記の記事を教えてくれた。


「論壇」在日外国人の参政権問題 屋山 太郎

国民固有の権利

 永住外国人への地方選挙権付与法案が臨時国会でまたぞろ浮上してきた。
強力に推進しているのは公明党で、自民党は「違憲の疑いがある」(安部・幹事長代理)と渋っている。
民主党は国旗・国歌法案の時のように真っ二つに割れている。参政権問題は早くから公明党が持ち出し先国会から継続審議になっているが、このさい、きっちりと廃案にし、この問題にケリをつけるべきだ。
 在日外国人の参政権問題は金大中氏が大統領時代に、池田大作創価学会名誉会長に求め、その代わりに韓国における創価学会の「布教禁止措置を解く」との合意ができたとされている。その後、韓国側から韓国に永住する日本人に参政権を与えるから、在日韓国人にも与えよ、との”相互主義”が提案された。在日韓国人は五十万人、在韓日本人はせいぜい三百人。これで相互主義が成り立つのかといわれたものだが、韓国側では〇二年二月に「外国人に参政権を与えるのは憲法に違反する」旨の最高裁の判断が出て、”相互主義”は崩れた。
 日本政府は一貫して「参政権は与えられない」と主張してきた。憲法一五条一項では、参政権は「国民固有の権利」とされており、国政レベルの参政権付与は不可能だ。しかし地方参政権は「住民」に与えることも可能だというのが付与論者のいい分だ。
 だが、こういう考え方は国際的に全く通用しない。「国民固有の権利」は「譲り渡すことのできない権利」(インエイリアナブル・ライト)なのである。これは「国家は運命共同体であり、国家の運命に責任を持たない外国人に政治を任せるわけにはいかない」という考え方からきている。

”無国籍者”の増加

 在日韓国人問題についての権威である鄭大均・都立大学教授は現在、在日外国人に与えている「特別永住権制度」は恩恵の如く見えて実は在日韓国人を不幸にしているとみている。この特別永住制度は〇一年に決められたものだが、世界でも稀な外国人優遇策なのだ。鄭教授によると、この制度によって在日韓国人は韓国人でもなければ日本人でもなくなったという。日本国籍を取得しなくても全く困ることはなく、かといって韓国人でありながら韓国人だという意識もない。最善の解決策は①特別永住制度の廃止②帰化条件の緩和③帰化の促進-だと鄭氏はいう。
古来、多くの渡来人を迎えて発展してきた日本は、帰化人に対して極めて寛容な民族だ。しかし、帰化するに当たっての難しさは世界でも珍しいほど厳しい。
 在日韓国人はすでに三世、四世の時代を迎えており、今の制度を続けると対象者は少なくなるどころかふえ続ける。韓国人でもなければ日本人でもないという。”無国籍者”がふえることは社会を歪めてしまう。彼等への帰化を奨めて、この特殊な身分から開放してやることこそが親切というものだろう。
 こういう事情の中で公明党がさらに”特権”を上積みするような動きをするのはなぜなのか。布教に国境はないとするのは結構だが、その国境取り払いを、自分の政党を使って実現しようとするのは
政教分離(憲法二〇条)の原則に反する。自らは護憲政党といいながらどうみても憲法違反の地方参政権付与をゴリ押しする理由は何なのか。
 自民党の与謝野馨政調会長や平沼赳夫前経産相はすでに「違憲論」を表明している。公明党案では将来、少数民族問題を創り出しかねない。
(政治評論家)
平成16年10月25日静岡新聞朝刊
静岡新聞

 なるほど、新聞に書かれちゃ噂は広まるわな。
 間違いがあるね。
 >在日外国人の参政権問題は金大中氏が大統領時代に、池田大作創価学会名誉会長に求め
 ってなんで、法律上の事で、一国の大統領が池田先生に求めるのよ?
 この時点で、情報がデマの類いでしょうよ。
 普通なら、大統領が総理なりに求める事柄。

 それに
 >韓国側では〇二年二月に「外国人に参政権を与えるのは憲法に違反する」旨の最高裁の判断が出て、”相互主義”は崩れた。
 これも事実と違う。
 実際に、2010年6月2日の韓国の統一地方選挙で、外国人参政権は実施している。
 今のところ相互主義は崩れていない。
 在韓日本人が極端に少なくて、これで「相互主義」と言えるのかはあるけど、さも創価学会が布教の為に取り引きしたかの記事は戴けないね。

 それに訂正記事もある。
平成16年11月6日静岡新聞おわび記事

◇おわび 十月二十五日の屋山太郎氏の論壇「在日外国人の参政権問題」の文中、「在日外国人の参政権問題は金大中氏が大統領時代に、池田大作創価学会名誉会長に求め、その代わりに韓国における創価学会の『布教禁止措置を解く』との合意ができたとされている」との記述について、創価学会からそのような事実は一切ないとの抗議がありました。
 金大統領時代の韓国において、創価学会に対して「布教禁止措置」がとられたことはなく、記述は誤りでした。
 外部執筆者の原稿については、通信社の配信原稿と同様、事実関係に誤りがないとの前提で紙面化していますが、今回のような重要な事柄については、なお慎重に検討すべきでした。この点について深くおわびします。  静岡新聞社
静岡新聞

 大元の静岡新聞が
 >創価学会に対して「布教禁止措置」がとられたことはなく、記述は誤りでした。
 って言ってる。
 そもそも、取り引きの材料の「布教禁止措置」自体が無いんじゃ話にならないね。
 この記事の狙いは「屋山氏が、嫌いな公明党を貶める為」と言われても仕方がないのでは?
 こんな裏付けもない、たかだが一政治評論家が書いた事は鵜呑みにして欲しくない。
 これが日本の新聞のクオリティです。
 新聞に書かれると「真実」だと思ってしまうが、「デマ」もあると知って欲しいね。


 公明党の外国人の地方参政権の付与について批判があるが、提出されている法案を読んでの批判なのだろうか?
 ただ単に「外国人に乗っとられる」「公明党は売国政党」とイメージだけで批判をしていないか?
 公明党は度々法案を提出している。
 確か、今まで20数回出しているはずだが、毎度見直しをして中身が当初と大分変わってきているのを知らないのでしょう。
 直近の提出法案が↓コレ。
 「永住外国人に対する地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権の付与に関する法律案」
 経過
 http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/keika/1DA5282.htm
 本文
 http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/g16301014.htm
 読めば判るが「地方選挙の被選挙権及び国政選挙の選挙権は付与しない。」
 「日本人には地方選挙権の取得に伴い付与される公務員(人権擁護委員、民生委員、児童委員及び投票立会人等の選挙管理事務関係の公務員)への就任資格は、永住外国人には付与しない。また、議会の解散及び議員・長の解職の請求権並びに条例の制定・改廃の請求権等の直接請求権も、付与しない。」
 とかなり限定された参政権だ。
 「外国人参政権」のウィキペディアで諸外国と見比べれば判るが、地方レベルの「参政権のみ(限定あり)」だ。
 EU諸国に比べても限定された「参政権付与」だと思える。
 大量に外国人がやってきて、ある地方を乗っとるなんて事は出来ない代物だよ。
 批判するなら、どこの条文に穴があるか。指摘して欲しい。

 念の為に書くが、私は「外国人参政権にはやや反対派」です。
 上記の韓国との相互主義や、真面目な正規入国者がワリを食う現在の入国制度では問題があるので、「時期尚早」が結論。
 これは今までも斧板などで書いて来たが、日本が好きで日本に暮し働く「正規入国者」より、不法入国してオーバースティしている外国人が多い現状や、永住権を持つ経緯が怪しい外国人が多いのも問題だからだ。
 正規入国者の意思を汲み取れる「地方参政権」は必要だとは思うので、審議を重ねて良い法案を作って貰いたいですね。

2010/06/23  民主党のマニフェスト違反の数々

 民主党の前回衆議院選挙のマニフェスト(公約)で、時間の経過とともに縮小したり、反故(ほご)にされた物がいくつもあります。
 民主党の政策数179に対し実施35、一部実施59の計94で、実施率は52.5%。(2009年衆議院選挙マニフェスト進捗状況 2010年6月11日現在/民主党マニフェストより)
 この実施率だって民主が選挙前に声高にうたった目玉政策では実施率が低い。
 形だけ検討して先送りするのは実施とは言わないと思うな。

・4年間でマニフェストを実行する→
 外国人参政権や夫婦別姓など、マニフェストに無い法案は全力で推進
・子供手当てを出します →
 満額支給断念 満額でないので負担増世帯が増えた 財源は地方が負担、来年度以降は財源の見通しなし
・埋蔵金を発掘します→
 埋蔵金はありませんでした…
・公共事業9.1兆円のムダを削減→
 事業仕分けで0.6兆円削減しました。
・天下りは許さない→
 政府策定中の「国家公務員退職管理基本方針」では「現役の天下り」を手厚い内容で容認
・公務員の人件費2割削減→
 法案を再来年以降に先送り 天下り先も無くすと更に肥大化
・増税はしません →
 扶養控除、配偶者控除の廃止、タバコ税と酒税を増税、相続税と内部留保課税、消費税、所得税の増税も検討、環境税導入も検討
・暫定税率を廃止します→
 維持しました(自動車取得税、自動車重量税、軽油取引税、揮発油税・地方道路税)今ガソリン高いんだけど…
・赤字国債を抑制します→
 過去最大の赤字国債を発行(総額44兆円)
・クリーンな政治をします→
 鳩山小沢北教組の違法献金と脱税 現職議員逮捕、議員辞職も離党もせず
・沖縄基地は最低でも県外に移設→
 県外移設断念 「『最低でも県外』は民主党の公約ではなく、私自身の代表としての発言」(鳩山)
・内需拡大して景気回復をします→
 デフレ進行、景気対策補正予算の執行停止 CO2 25%削減表明、鳩山不況に突入しました
・コンクリートから人へ→
 道路整備事業費が608億円増(民主の弱い選挙区へ) ホワイトビーチ埋め立てに一兆円
・高速道路は無料化します→
 土日1000円やめて値上げします(凍結中)
・ガソリン税廃止→
 そうでしたっけ?フフフ
・消えた年金記録を徹底調査→
 「年金記録を回復する必要性は薄れた」(長妻)
・医療機関を充実します→
 日本の医師免許を持たない外国医師の診療を可能にする制度改正を検討
・農家の戸別保障→
 政府米買入れ廃止で米価暴落、農家悲鳴
・最低時給1000円→
 実現時期「2020年までに」大幅先送り
・消費税は4年間議論すらしない→
 消費税率10% 元ネタは自民党案からまねフェスト、逆進性で低所得者には負担増
・年金を事務費に流用しない→
 2010年度に2000億円流用済み
・高校生の特定扶養控除維持→
 縮減へと一転

 民主党の輿石東参院議員は「まだ経験不足。赤ちゃんで言えばよちよち歩き」「苦しかった経験。2人とも必死でやっているのになんでわかってくれないんだろうなあという気持ちがあった」なんて言って、さも国民が悪いみたいに言い訳してる。
 野党時代の民主党は「いつでも政権交代が出来る様に『次の内閣(ネクストキャビネット)』を作ったから準備万端」だったはずなのに、実際は役に立たなかった。
 支持率は上記の様にちっともマニフェストを実行しないから下がったんだよね。

 貴方は民主党の参院選マニフェストを信用出来ますか?
 私は出来ないね。

2009/09/29  政権交替10日後

 民主党に政権が移行して10日が経った。
 第93代内閣総理大臣に鳩山由紀夫が選出された。

 就任早々に国連総会、G8・G20と出席し、国際社会にも広く認知された。
 国連総会で温室効果ガスの25%削減を発表と一見華々しいが、現実は厳しい。

 藤井裕久財務相が円売り介入に消極的な姿勢を示したことを受け、円は対ドルで一時1ドル=88円台前半まで急伸した。
 日経平均は一時9971円と節目の1万円を割り込み、終値は1万9円52銭となんとか1万円を死守した形だ。

 亀井静香金融相が提唱している中小企業向け融資や個人向け住宅ローンを3年程度猶予する「モラトリアム法案」について与党内でも反発が大きい。
 支払いが猶予されれば、銀行の収益は減る為だ、銀行に資金が回らなければ貸し渋りや貸し剥がしが起き易くなる。結果として不況を煽る可能性もある。

 直嶋正行経済産業相は28日の同省3役会議で、最近の円高進行に伴い、中小企業を含む輸出企業にどのような影響が出ているのか調査するよう事務当局に指示した。
 今更ながらに「円高の影響」を調査って、どうなんだろう?
 与党に経済通がいない証拠なんではないか?

 去年には「経済対策には政権交替」なんて言ってた民主党、出だしで転けた様に見える。
 前回自民党が下野した時(93年)、細川護熙内閣で大蔵大臣だった藤井裕久。「失われた10年」を作った張本人だ。同じ轍を踏みそうで仕方がない。なんでこの人を財務相にしたの?

 首相の鳩山にも、新たな火種が出て来た様です。
鳩山首相側に“一斉献金”、北海道議ら15人
 鳩山首相が代表を務める「民主党北海道第9区総支部」が2008年12月25日、選挙区内の地方議員計15人から総額約264万円の寄付を受けていたことが、北海道選挙管理委員会が29日付で公表した政治資金収支報告書でわかった。


 報告書によると、道議、苫小牧市議、登別市議、新ひだか町議が、それぞれ2万4000~26万4000円を献金していた。同総支部は03~07年にも同じ日付で地方議員から一斉献金を受けており、自民・公明両党が今年7月、寄付の実態などに疑問点があるとして調査していた。

 同総支部の会計責任者は「各支部で集めた寄付を12月に一括処理しているだけで、やましいことはない」としている。

(2009年9月29日00時06分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090929-OYT1T00006.htm
 故人献金の次は一斉献金だそうです。
 首相なんだからダンマリは出来ないよね?
 説明するよね? それともIOCに行くんで帰ってから説明かな?

 前途多難な様相になってきたし、マスコミもお得意の「与党叩き」を発動しそうですね。
 政権運営は、太陽を沢山食べないと乗り越えられないかな?(笑)
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